自粛警察と穢(けがれ)思想の共通点〜人はなぜ正義というなの元にパニックを起こすのか〜

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自粛警察…

最近ではすでに迷惑行為扱いにされてしまっていますね。

 

でも、本人は至って真面目に「正義を遂行している」と思っています。

ですから、周囲からやめなさいと言われても

「なんで?」

となってしまうのです。

 

これは、なぜでしょうか。

 

私なりに、考察したことを書いてみます。

自粛警察って何?

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こちらは、千葉県八千代市の駄菓子屋「まぼろし堂」で4月下旬に見つかった貼り紙です。

 

お店を閉めていたにも関わらず、こういった脅迫状さながらの張り紙が…

 

とにかく、自粛期間中なんだから外に出るな!と張り紙を貼ったり

 

公園で太極拳をしていたら、警察に通報されて

駆けつけた警官も、特に何もできることはなく(少人数が屋外でソーシャルディスタンスを取っていた)

呼びつけた自粛警察と本物の警官との小競り合いが生じました。

 

何したいんでしょうね?

 

穢(けがれ)という思想

けがれ、って聞いたことありますよね。

不浄のものと定義されるけど、目には見えない汚れの様な概念です。

 

古今東西で、けがれという思想は存在します。

ただ、東洋と西洋ではその考え方や、原論がちょっと異なるようです。

西洋では、けがれと言うよりは「罪」の意識の方が強いんですよね。

話がそれてしまうので、けがれに戻します。

 

例えば、今でもある新興国のとある地域では

女の子が生理になると「隔離小屋」に閉じ込められる風習があります。

今でもあるってのに、驚きを隠せませんが・・・

 

それに、とある中学校の教員の方がつぶやいていましたが

 

女子に対するイジメや嫌がらせに

「女は汚〜い、あそこから血流すんだろ!」

と、月経=汚いという観念が強いんだそうで

 

保健体育で第二次性徴の教育の時間が取られているにも関わらず、

多分聞いちゃいないんでしょうね。

 

この教員の方は、こんこんと教えてあげたそうです。

経血は、子宮の中で赤ちゃんが育つためのベッドになるものが

毎月剥がれ落ちるんだよ。

そのときに、女の子カラダはホルモンバランスが崩れて大変だし

子宮が収縮して剥がれ落とすから、痛みを感じることだって多い。

生命を宿すカラダは、毎月たいへんな活動をしているんだから

優しくしてあげないといけないんだよ、

 

と。

この先生は、長い時間をかけて男子たちを教育していったわけですが

その後態度が激変したそうです。

 

そう、女の子たちに優しくなりました。

 

ただ知識がなかっただけなのです。

彼らの教科書はAVで、正しい性知識なんて皆無に等しかったわけです。

 

生理中の女性を不浄として隔離する風習は、日本では1872(明治5)年に法令が施行されて禁止となったくらい、日本でもやっぱりあったのです。

「生理中の女性と同じ食器を使った人は死ぬ」
「生理中の女性が花や果物に触るとしなびる」

などと信じられてたそうです。

 

ええ??ですよね、今なら。

 

正しい知識がきちんと行き渡ることがどんなに重要かが分かる事例ではないでしょうか。

 

さて。なぜ、経血=不浄になるのでしょうか。

 

それは神社の不浄感に観る、宗教観と密接に関係があるのではないかと考えています。

・一年以内に身内に死者が出た者

・一年以内に出産したもの

は、不浄だから

裏門から入りなさい。とか

鳥居をくぐっちゃいかん。とか

あるんですよね。

 

一番の不浄は【死】です。

忌み嫌われます。

疫病の死体から伝染するかも?という物理的な理由もあったでしょう。

 

でも、「けがれ的」に言えば

日本では、葬式の後は必ずお清めの塩を身体にかける風習があるくらいに

我々は【死】に対して不浄と感じているわけです。

 

血は死と直結しています。

 

なんで、血流すの?そういうの伝染ると困るんですけど、的な

しかも、どっから流してるのよ?という性的でタブー的なものと相まって

恐れとタブーが入り混じり

まるっと不浄としてしまうって感覚は、なんとなく分からんでもないのでは

と思います。

 

不浄って感じるのは、

 

◯理由が分からないかも

◯目に目ないから、物理的対処のしようがないよね

◯伝染るの?それちょっと困る

◯これって怖いよね

 

これらをまとめて「穢れ」という概念に統合されているように思うのです。

 

また、例えばナチスが採用していた「優生学

アーリア人以外は人間ではない、という思想の元。特にユダヤ人などは害悪と考えられてきましたね。

 

「有害」はいなくなって欲しい。

 

この感覚が強力な差別意識を生むわけですが、いなくなれ!の前段階

あっちにいって、この感覚の根拠がコロナにはあるわけです。

 

だって、伝染ると嫌だから。

アジア系というだけで、強力な差別が発生しましたね。

特にヨーロッパ諸国でね。

 

なぜ、伝染ると嫌なのか。

 

目には見えない、自分も汚染されるかもという恐怖

 

その一番の対象は、死でしょう。

死が伝染る、知らない間に忍び寄る

というのはとんでもなく嫌なのです。

 

では、ちゃんと自粛警察がコロナウイルスの知識を学んでくれれば

女子をイジメていた男子生徒たちのように優しくなってくれるのでしょうか。

 

正しい知識はもちろん最重要ですが、

半分YESで、半分NOでしょう。

 

人は、恐怖で自制を失う

 

死という恐怖。

これを強く感じてしまう人と、あまり怖くは感じない人たちがいます。

 

その極端な例がサイコパスです。

サイコパスの人たちは、恐怖という感情が分かりません。

遺伝的要素で脳機能に問題があり、恐怖って何?ってなってしまうのです。

アドレナリンがよく出る人たちも、恐怖はあまり感じません。

 

その反対に、

ものすごく扁桃体が活性化してしまって、止まらない遺伝的要素を持っている人たちもいます。極端に怖がりな人っていますでしょ。

 

もう上げるとたくさんあるんですけど、

例えばネガティブな記憶だけなかなか忘れられない、という特徴がある人もいます。

死への恐怖なんてネガティブの極み、みたいなもんですから

ずーっと抱え込んでしまうわけです。

みんなは「自粛解除だ〜!」とか騒いでいてもね。

 

これらは、人類の多様性で

 

いろいろなメンタリティがあると、生き残る確率が「人類的」に高まるから。

 

怖がりでずーっと逃げてきた小動物が、結局進化して「人類」になりましたから、

強けりゃいいってもんでもないわけです。

 

おっと、話をもとに戻すと

 

『死への恐怖』が活性化しちゃっている人たちで、

ある種の同調圧力をかける事が最大の防衛と思っている

 

のが、自粛警察になりやすい人の特徴でしょう。

 

宗教的に言うなら、信仰+布教活動こそが「真の信仰者」と信じて疑わない人たちです。

 

自粛警察という信仰が出てきちゃうのは、

正しい知識がない事と、恐怖で適切な脳内の情報処理ができず理性がふっとんじゃってる事

ざっくり言うと、こんな感じではないでしょうか。

 

目には見えない汚染を警戒する事で生き残るという戦略

「穢れ」という概念が良くも悪くも発達してきた背景は

科学が発達していなかった時代の、生き抜く知恵だったとも言えるのではないでしょうか。

 

よくわからないけど、近づくとあかんらしい

 

これらは、ほとんどが無用な差別を生む土壌になってしまうわけですが

 

ウイルスや細菌というものが分からなかった時代です。生き残る為の考え方、と言われうとしょうがないかも知れません。

 

しかしながら、もう21世紀ですよ。

土星衛星写真が探査機カッシーニから送られてくる時代ですよ。

 

一応、文明国なのです。少なくとも日本は。

 

正しい知識を持ち、恐怖を自制できる心を磨き育てることもできるはずです。

 

大義のために、迷惑行為の判断がつかなくなるようなパニック心理に陥らないよう

身近な人達の関係性を良好なものにしましょう。

 

大丈夫だからね、と安心させてくれる人になれるように。

大丈夫だからね、と安心させてくれる人がいてくれるように。

 

あ、結論言っちゃった(笑)